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サイバー攻撃の新標的!リモートアクセスが狙われる理由とは

はじめに

リモートアクセスは、遠隔地や在宅勤務を可能にする重要な仕組みとして、企業や組織で広く利用されています。しかし、社内システムへの接続手段を外部に開放することで、セキュリティリスクも増大します。近年では、不正アクセスやランサムウェア攻撃など、攻撃手法が高度化し、リモートアクセス経路を狙った機密情報の奪取やシステム障害の事例が報告されています。

本記事では、リモートアクセスがなぜサイバー攻撃の標的となるのか、その背景やリスク、そして具体的な対策について解説します。

リモートアクセスのリスクとは

なぜリモートアクセスが狙われるのか

リモートアクセスとは、自宅や外出先から社内のネットワークやシステムに接続する手段を指します。例えば、会社のサーバーや端末に直接アクセスして業務を行う仕組みが典型例です(参照*1)。柔軟な働き方を実現するうえで不可欠な手段ですが、その利便性ゆえに攻撃者に狙われやすくなっています。攻撃者は外部からの接続口さえ見つければ、VPNやリモートデスクトップなどを悪用してシステム内部に侵入できる可能性があるためです。

近年は、社内からモバイルデバイスを用いてネットワークに接続し、外部サービスとも連携する複雑な構成が増えています。こうした環境ではアクセス経路が増加し、一度侵入者が入り込むと機密データへの到達リスクが高まります。特に長期休暇や夜間など、管理者の監視が手薄な時間帯を狙った攻撃が多発しています。実際、年末年始(12月から2月)にかけてサイバー攻撃が増加したという調査結果もあり(参照*2)、狙われるポイントが多様化しています。

攻撃者にとっての利点

攻撃者にとって、リモートアクセス経由の侵入は効率的な手段です。企業側が外部からの接続を可能にする仕組みを整備しているため、その弱点を突けば内部ネットワークに到達できます。特に「バックドア」や「未保守の管理画面」などが放置されている場合、正規の認証を経ずにサーバーへ潜入できるリスクがあります(参照*3)。

また、攻撃のプロセスが確立しやすい点も利点です。近年はダークネットや匿名通信ネットワークで得た侵入手法を段階的に実装する「サプライチェーン攻撃」も増えています。企業が導入しているリモートアクセスツールや、サードパーティ製ソフトウェアの脆弱性を突くパターンが増加しており、一度踏み台を得ると攻撃者は継続的に内部を探索し情報を盗み出します。

リモートアクセス経路の棚卸し方法

設計における狙われるポイント

リモートアクセス環境は、初期設計時に適切なセキュリティ要件を満たさなければ、重大な弱点を抱えやすくなります。特に重要なのは、認証フローやアクセス権限の統制方法です。例えばSSHであれば鍵認証の導入や、不要なポートの公開を避けるといった基本設計が不可欠です。
また、設計段階で「test」のような安易なユーザ名・パスワードを設定すると、海外からのリモートログイン攻撃を受けやすくなることが実際に確認されています(参照*4)。

また、特権アカウントを扱う際には厳重な制限が求められます。特権ID管理ツールを導入することで、特権アカウントの利用権限や操作記録の一元管理が可能となり、不正利用の防止や監査対応に大きく貢献します(参照*5)。

運用上のリスク管理

リモートアクセスの運用では、日常的なログ監視や脆弱性への迅速な対応が不可欠です。棚卸しの考え方としては、一度リモートアクセス経路の一覧を作成するだけでなく、定期的に更新して常に最新の状態を保つことが重要です(参照*6)。IT資産やネットワーク図、アクセス権の付与状況などを年に1回以上確認してアップデートするルールを設け、管理部門やセキュリティ担当者が連携しながら運用することで抜け漏れを減らせます(参照*7)。

実際に大学では、研究用サーバの運用時にセキュリティ設定が不十分なまま公開され、海外から不正ログイン攻撃の踏み台にされた事例があります(参照*4)。

人材面での注意点

リモートアクセスの安全性は、システム設計や運用対策だけでなく、人材の知識や意識にも左右されます。担当者が業務多忙のあまり管理ポリシーの更新を怠ったり、強力なパスワードだけで安全だと誤信し、監査ログの分析を行わないといった人的ミスがトラブル拡大の一因となります。

特に特権アカウントやIT資産管理に携わる管理者層は、セキュリティインシデントの影響範囲を深く認識する必要があります。特権IDの誤用は大規模な情報漏えいにつながるため、ツール導入だけでなく運用面での監査や承認フローの整備も必要です(参照*5)。

リモートアクセスに関する改善策

技術的な対策における優先順位の付け方

企業や組織がリモートアクセスに関する改善策を講じる際は、特に保護が必要な特権アカウントや重要サーバのアクセス設定を見直し、VPN接続やリモートデスクトップにおける脆弱性の修正パッチを適用することが推奨されます。
その後、棚卸ししたネットワーク図やアクセス権の一覧を更新し、運用ルールを明文化することで、既存の業務フローにセキュリティの観点を組み込みます(参照*7)。

また、リスク評価を再度実施し、運用ツールや特権ID管理ツールの導入状況を定期的に検証します。VPNサービスを利用する場合は、クライアント端末のOS更新やウイルス対策ソフト、パッチの適用状況も含めて一貫性を保つ必要があります(参照*8)。

長期休暇に向けた対策としては、管理者が不在となる期間に特に注意し、緊急時の連絡先を周知するほか、脆弱性スキャンや多要素認証の導入を検討する企業も増えています。

調査会社の結果によると、12月から2月にかけてサイバー攻撃件数が増加し、実際に3,000件以上の個人情報がダークウェブに流出した事例も報告されています(参照*2)。こうした被害を防ぐためにはフォレンジックサービスや監視体制の強化を検討し、アクセスログや通信ログの分析を自動化します。

最終的には、第三者監査や内部監査の実施が推奨されます。特に大規模組織では、使われなくなったサーバやアカウントが放置されているケースが少なくありません。定期的な棚卸しやアクセス権の再確認を怠ると、攻撃者が悪用できる脆弱な隙間が生まれます。

運用面での取り組み

技術的な対策だけでなく、運用面でも多層防御の考え方を実践することが重要です。例えば、リモートアクセス接続時には多要素認証を導入し、パスワード単体への依存を避けます。また、ログを長期間蓄積し、相関分析ツールで日常のアクセスパターンを可視化することで、通常と異なる挙動を早期に発見できます(参照*3)。

さらに、クラウドサービスの利用が広がる中で自社環境をどう守るかも問われています。リモートワーク導入時には、接続方式や拡張性を確認したうえで安全に運用することが大切です(参照*1)。
特にファイアウォールの適切な設定や通信速度の確保は、業務を円滑に進めながらセキュリティを担保するうえで欠かせません。また、脆弱性管理やIT資産管理の連携を円滑に進めるためには、SBOM(ソフトウェア部品表)などの概念を社内に浸透させる必要があります(参照*9)。

人材育成の重要性

リモートアクセス領域では、技術だけでなく人材育成も非常に重要です。専門家の意見によれば、攻撃インフラは多層化しており、守る側も知識と実践力を合わせ持つ必要があります。

実際、国会でも、サイバー攻撃対処について、技術的・法的な対処、そして、その実効性を高めるためのサイバーセキュリティーの人材の確保と育成について、産学官が連携して行うことが重要だという議論がなされています。(参照*10)。
組織内でのセキュリティリテラシー向上の機会を設け、システム管理者だけでなく一般従業員にも定期研修を行うことが推奨されます。

おわりに

リモートアクセスは柔軟な働き方を支える一方で、攻撃者に狙われるリスクも伴います。本記事で紹介したように、アクセス経路の棚卸しや技術・運用・人材の三層で対策を講じることが重要です。

最終的には、定期的なチェックリストの活用と、継続的な監査・更新が安全性向上の鍵となります。安全なリモートアクセス環境を構築し、企業や組織の情報を守るために、早期かつ適切な行動を検討してください。

お知らせ

リモートアクセス、狙われるリスクが高まる昨今、インフラエンジニアは業務範囲や必須スキルを把握し案件選びに反映させることが重要です。フリーランス向けの最新案件情報を参考にスキル棚卸しを進め、適切な案件探しに備えましょう。
インフラエンジニア 仕事内容を把握することは、案件選びやスキル棚卸しに不可欠です。業務範囲や必須スキルを確認し、フリーランス向けの最新案件情報も参考にしましょう。
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